初めて唇に紅をのせたのは、確か3歳の頃。
七五三のお参りに行く時に、母が塗ってくれた赤い口紅。
襟元に白いフリルが付いた黒のベロアのワンピースを着て、
お気に入りの赤い靴を履いて、頭には大きなリボンをつけて。


自分で口紅を塗る様になったのは、それから随分後になってから。
色つきのリップから、初めて口紅へと変えた時、
オトナの女性になった気がしたのを覚えております。
大嫌いだった口紅の味も、嫌いではなくなった瞬間。


キスをした後。
彼に残る乱れた口紅を、指先で拭うのが好きです。
拭いながらその指先で、彼の唇のやわらかさを感じるのが好きです。
首筋に腕を絡め、そのやわらかみにもう1度、唇を落として。
もう1度彼に、口紅の痕を残したい。


白い肌に映える紅の色は、女の決意そのもの。
紅ののった唇をそっと指でなぞり、鏡をじっと見詰めては、
そこにある熱さを想う。
紅は闘いに挑む為の鎧そのもの。







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