道具のお話  


何気なく手にしている道具のあれこれ。
そこにもこんな理由があって。




和食器

和食器の揃え(=セット)は、5枚1組というのがお決まり。
それでは何故5枚(5客)なのか?
これは、お客様をお迎えする主人側に2枚、招かれるお客様に2枚、予備に1枚という割り振りからなのです。また、割れる偶数を嫌い、奇数を良しとする習慣からも。

しかし、中国では4枚が1セット。中国でも日本同様、奇数を良しとしているのですが、4という数字は四天の四方を司る『四神(しじん)』に繋がるとして好まれているのです。
また、欧米では6枚が1組が普通。
西欧では十二進法を使っている為、その昔は馴染みが深い数字である12枚・1セットだったのですが、多すぎて実用性に欠ける事から、半分の6枚になったそうです。



大漁旗

カラフルな色味が目に飛び込んでくる大漁旗。
元々は漁船が港まで帰る時、大漁を知らせる為に掲げるものでした。
無線のない時代に魚の荷揚げを効率よく行う為のサインで、旗を見た陸地の人々は箱や塩を用意して、船が着くのを待っていたのです。

大漁旗の始まりは江戸時代で、当時はただ、むしろを掲げるだけでしたが、いつしか船の名前や屋号などを染め抜いた旗が使われるようになったそうです。

ただ、今の様にカラフルな大漁旗が使われる様になったのはずっと後の事で、昭和・戦後になってから。
千葉県の銚子港の網元が、大漁の時に船子に配る晴着から、ああいう形になったという説があります。
いずれにせよ、青い海に白い波線を描きながら大漁旗をなびかせて走る船の姿は、1つの映像として、色彩が鮮やかでとても美しく見えますよね。



女性の着物

女性の着物にあって男性の着物に無い物を御存知でしょうか???
脇の下にある大きな開きは、女性の着物だけのものなのです。この開きの事を『身八つ口』と云います。

人間の体と着物の仕立てによるものなのですが、着物は極めて平面的な作りをしております。一方で人間は、当然の事ながら凹凸があり、立体的であります。
これをそのまま着ようものなら、とても窮屈で動き辛くてしょうがありません。女性の体は男性の体と比べても丸みを帯び、特に胸の下で帯を締めるので、より動き辛くなります。
そこで、脇の下を大きく開けて、活動し易くしてあるのです。

ちなみに男性用の着物に身八つ口が無いのは、女性とは違って腰で帯を締めるので、その分だけ動き易いので、身八つ口を作る必要は無かったのです。



南部鉄瓶

岩手県は盛岡市の名産品といえば、黒光りするボディが美しい南部鉄器、とりわけ、『南部鉄瓶』が有名ですね。
その表面にはたくさんのイボが付いており、そのイボの事を『あられ模様』と呼びます。多いモノでは1つの鉄瓶に数千個ものあられ模様が付いてあるモノもあるそうです。
その1つ1つは、鋳物師が鋳型に刻印して作る、とても手間がかかっている景色なのです。

このあられ模様はただの景色ではなく、実は実用的な要素も兼ね備えており、表面にあられ模様を作る事で、お湯が早く沸いて冷めにくくなるのです。
ポットのお湯も良いけれど、鉄分の吸収を促す為にも、南部鉄瓶でお茶を頂いてみてはいかがでしょうか???





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