変わらないでいて。





その時、その時で大好きだった人達がいる。
「好みのタイプは?」と訊かれると困ってしまう程、それぞれの人に共通項はありません。
強いて云うなら、『男である』という事だけ。


生まれて初めて告白をしたノザワ先輩は、その勝気そうな瞳が好きでした。
生まれて初めてお付き合いをしたヒロは、どこまでも優しい人柄が好きでした。
大人の包容力を感じた人、夢を追いかける姿に惹かれた人、他にも、他にも。


そんな人達と逢わなくなって、もう数年が経つ。
以前、日記にも書いたけれど、例えば共通の友達が居るだとか。
そういった『横の繋がり』がある訳ではございませんので、今現在、彼らが何をしているかは判りません。


時折、ふとした拍子に彼らの事を思い出す時があります。
当然の事ながら、今どうこうしたい、どうこうしようという事ではなくて。
懐かしい風景の一部として、時間を切り取った写真を眺める様な想いで、ただ思い出すのです。
良い終わり方をした恋愛ばかりではないけれど、
時間の経過は嫌な想い出を、温かな記憶へとすり替えてくれます。


そうして思い出した時に常に思うのは、
当時のわたしが好きになった部分を、これからもずっと持ち続けていて欲しいという事。
あの時と同じ様に、やわらかな笑みをたたえていて欲しい。
あの時と同じ様に、目に強い力を持っていて欲しい。
あの時と同じ様に、あの時と同じ様に・・


けれどそれは、ただの欺瞞。
過ぎた時間は帰っては来なくて、過ぎた時間の分だけ、人は歩いている訳で。
アナタも、そしてわたしも。


変わっていても、変わらないでいても、今となってはどちらでもいい。
終わった恋になど、興味は無いから。






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